「歯が無くなってしまって噛めない…」

「歯が無くなってしまって噛めない…」そうおっしゃって50代男性の方が来院しました。

お口を拝見するとボロボロの状態。
お手入れをサボってしまったそうで、ほとんど咬むところが無いです。

咬合崩壊した口の中

これだと、まともに食事できません。

通常、入れ歯をつくるには、

保存不可能な歯の抜歯
⇒ 傷が治るまで1ヶ月以上待つ
⇒ 入れ歯の型どり、

というステップを踏むのですが、
今回は「即時義歯」という方法をとることにしました。

「即時義歯」は入れ歯のセットと抜歯を同時におこないます。

下顎 筋圧形成

まず入れ歯の型どりをして、次の来院時に咬み合わせの記録をとり、いっきに入れ歯を仕上げます。

完成した下顎の部分入れ歯

入れ歯が完成しました。

抜いた歯

不要な歯を抜歯します。

縫合した状態

緊密に縫合しました。

下顎の義歯セット

抜いたと同時に入れ歯をセットします。

( 即時義歯はしばらく経つと入れ歯が合わなくなり、再び入れ歯を新製する必要が生じることもあります)

ブリッジ用に削った歯

入れ歯によって、奥歯で噛めるようになりましたので、上の歯の治療に移ります。

根の治療をおこなったのち、土台をいれ、保険のブリッジをつくります。

ブリッジを入れるために、歯の角度がすべて揃うように削りました。

ブリッジ用に角度をそろえた歯

後ろの歯2本は神経がありましたので麻酔をしています。
30分かけて合計4本削りました。

前歯なので見た目の問題がありますし、神経がある歯は麻酔が切れるとしみるので、仮歯をつくります。

仮歯をつくっている途中

仮歯が仕上がりました。この作業に時間がかかります。今回は1時間ほど必要でした。

装着した仮歯

咬み合わせを調整して仮着します。
麻酔 ⇒ 4本削る ⇒ 仮歯の作成 ⇒ 仮着 で、合計1時間半です。

後日、型どりしてブリッジをつくりました。

硬質レジン前装冠 メタルの裏打ち

硬質レジン前装冠」による保険のブリッジです。

硬質レジン前装冠のブリッジ

セットしました。

その後、上の奥歯に入れ歯をつくります。

上顎の筋圧形成

筋圧形成” という入れ歯用の精密な型どりをおこないます。

出来上がったロー堤

コバルトクロム合金のワンピースタイプの入れ歯です。

バネとフレームを一体化させているので剛性感が高まります。保険でつくっています。

上顎の義歯セット

上の入れ歯をセットしました。
違和感なくお食事できるそうです。

下顎の義歯

下の入れ歯も問題ないです。

治療期間は約5ヶ月。すべて保険診療です。

治療前

治療後

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