現在は抗凝固剤を飲み続けたままの歯科治療が推奨されています
40代以上になると、血栓予防に抗凝固剤(ワーファリンなど)を飲んでいる人も多いと思います。
さて、そのような人が不幸にして抜歯が必用になったときの考え方が、ここ十年ほどで変わってきています。
抗凝固剤を止めた場合、1%程度の確率で血栓症、塞栓症が発生
以前は、抜歯後に血が止まりにくくなることの予防で、抗凝固剤(ワーファリンなど)を止めてから抜歯する方法が主流でした。
ところが、最近は抗凝固剤(ワーファリンなど)を飲み続けたまま抜歯することが推奨されています。
どうしてかと言うと、抗凝固剤(ワーファリンなど)を止めた場合、1%程度の確率で血栓症、塞栓症が発生することがあり、もしそうなると、最悪死んでしまいます。
手順を踏めば、血が止まらないことはほとんどありません
でも、「そんなこと言っても、血は止まるの…?」と思う方がいるかもですね。
実際、抜歯したときに血が止まらなかったという話を、患者さんから聞くことがありますが、そのようなことは、抜歯の最後に膿や不純物を掻き出す処置(抜歯窩掻爬)が不足したときに起こります。
掻爬をしっかりおこない、血液凝固促進剤(スポンゼルなど)を挿入したうえで縫合すれば血が止まらないことはほとんどありません。
しっかり手順を踏めば、抗凝固剤(ワーファリンなど)を飲んでいても止血します。
ですので、わたしは「自己判断で休薬せずに、そのままクスリを飲み続けてください」とお話ししています。
血栓症、塞栓症の予防のほうが重要。そのままクスリを飲み続けてくださいね。