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「ノンクラスプデンチャー」という言葉をご存知ですか?

ノン=使わない

クラスプ=バネ

デンチャー=入れ歯

という言葉を組み合わせた造語で、「金属のバネを使わない入れ歯」のこと。
バネがピンク色なので装着しても目立たず、ほとんど入れ歯とわかりません。

 

ノンクラスプデンチャーは適応症に気をつけてください

ノンクラスプデンチャーの模型

部分入れ歯をしている人にとって、入れ歯の金属が見えるのはけっこう気になるもの。

入れ歯になった人が見た目を改善したい希望は多く、ノンクラスプデンチャーはそれなりに普及しています。

ただ、この入れ歯は適応症ではない人が長期間使用すると自分の歯を痛めることがあります。

ぐにゃっと曲がったノンクラスプデンチャー

どうしてかというと上のように、プラスチック材料がたわむから。

一見すると柔らかくってよさそうと思うかもですが、「ぐにゃっ」となった力はすべて残りの歯へいきます。

ですので、残りの歯が少なかったり、上下の咬み合わせが悪いと、残っている自分の歯がダメになります。

人前に出るときの「お出かけ用の入れ歯」としてはおススメしますが、日常的な使用はしない方が良いと思います。

科学的に入れ歯を研究している学会「日本補綴歯科学会」のノンクラスプデンチャーへの公式見解もあります。専門用語が多いのでわかりにくいかもですがご興味ある方はご覧になってください。

ノンクラスプデンチャーの壊れやすい部分

また、自費なので治療費が高額ですが、材料の性質上バネの部分が2~3年で壊れてしまうことが多いです。

もともとが壊れやすい素材なので、保障するには医院のリスクが大きく、壊れた場合は有償修理(おおよそ1万~2万円)となり、修理が出来ないまでに壊れたときは、壊れたまま使い続けるしかありません。

そういうことから、わたしは適応症の人がデメリットを理解したうえで使うものと思っています。

この入れ歯はその都度技工所に見積もりをとって値段を決めているので、当院において決まった価格は存在しませんが、目途としてはだいたい20万~30万ぐらい。

詳しく知りたい人はお話しくださいね。